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第69話

いつもの癖で早くに目覚めてしまった長岡は目の前の旋毛に、最高の目覚めを噛み締めた。 もう寝てる時と座ってる時しか旋毛、見えねぇんだよな こんなでかくなるとは思わなかった 小さかった子供はぐんぐん成長し、今や目線はほぼ同じ。 人の事は言えないが随分と大きくなった。 それは見た目だけでなく内面もだ。 益々良い男になって本当に自慢の恋人。 いつのまにか誇らしい恋人となっていた。 可愛いだけの恋人ではない。 髪に鼻を埋め恋人を堪能する。 より抱き締めようとして“いつも”の癖に気が付いた。 またパンツん中に手ぇ突っ込んでた… 素肌に触れる手はあたたかく子供体温が馴染んでいる。 寒い訳ではないが、睡眠中に多々下着の中に手を入れている事がある。 遥登、あったけぇんだよな 細過ぎて生命維持の為に体温高けぇのか…? 何も言わねぇし…甘えとこ サラサラした髪に鼻を埋め、暫く子供体温を堪能する。 この子の隣はとても居心地が良い。 安心する。 遥登が起きるまでもう少し寝るか 腕枕で気持ち良さそうに眠る恋人にキスをし、また目を閉じた。

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