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第83話

「あ……っ」 「感じる?」 ローションを纏った指がアナルをなぞる。 ぬるぬるして、冷たくて、嫌でも意識してしまうソコを何度も撫でられて、たまらない気持ちになってくる。 「………ん、」 「もっと感じてくれよ。 俺だけ、考えれば良いから」 無意識に締めてしまうアナルに指を突き立てられた。 節だった男の指が、汚い排泄器に突き刺さる。 恥ずかしい。 汚れないか不安になる。 だけど、同じだけやめて欲しくないと思うんだ。 「ぁ……、…」 「いー声。 えっろくて、そそられる。 たまんねぇ」 「じっ…っきょ、やめ……ん、んっ」 「恥ずかしい?」 「ん、」 「恥ずかしいの好きなくせに」 粘着質な水音が本でいっぱいの部屋に響いている。 他の音が聞こえない。 さっきまで聞こえていた子供達の声や鳥の囀り、自動車やバイクの走行音。 柏と蓬の生活音でさえも。 すっかり2人きりの世界が出来た。 「朝、食べたから…激しくしないで……ほしい、」 「善処はする」 「恋人の実家でシャワッ……あっ、」 「シャワーがどうした」 「ん……ん……、」 「んー?」 艶っぽい顔で見られ言葉が吐けない。 同い年でこの色気はおかしい。 絶対に人生2回目の余裕だ。 悔しくて、唇をやわらかいそれにくっ付けた。

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