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第85話
長岡の脚を跨いだまま、背後に回された手でアナルを解されている。
「あっ、……んぅ、ぅ、」
綺麗な顔が真っ直ぐに自分を見てくる。
こんな、変な顔を近距離で見られるなんて。
恥ずかしくて肩を掴む手に力が入ってしまう。
短く切り揃えてはいるが、きっと爪が食い込んでいるはずだ。
なのに、長岡は痛そうな素振りすらしない。
きっと、自分が気にするからだ。
恋人はそういう気遣いがさらりと出来る人だから。
「そっ、こ……ッ、まって、まっ、」
イイトコロを見付けた指がそこばかりを押してくる。
いや、押すなんて生易しいものではない。
押し込む。
揉み解す。
そんな動きだ。
内腿の筋肉が震え、膝立ちしているのがやっと。
肩を掴んで支えがあるから崩れないだけの状態になる。
「まさ、……っ」
「きもちい?
ココ、好きだよな」
「ぅ、ぅ…ッ、」
短く息を吐くと同時に変な声も漏れた。
そして、陰茎は完全に勃ち上がっている。
借りたシャツを押し上げ、恋人のワイシャツに先を擦り付け喜んでいる。
繊維に擦れるのが気持ち良い。
ピクピク動く様は、さながら犬の尻尾のよう。
喜びを伝えてしまっていた。
こんな破廉恥なのに止まらない。
「2本目入れるから息むなよ。
ゆっくり息吐け……ん、そうだ。
……入った。
苦しくねぇか」
「はら、いっぱい……」
「なら、大丈夫だな。
ほら、もっとしがみ付けよ」
駄目だ。
これ以上は、長岡に傷が出来てしまう。
こんなに綺麗な顔立ちで、綺麗な身体をした人を傷付けるなんて。
「遥登、首に腕回せ。
脚しんどいだろ。
もう少しだけ慣らしてぇから、首に抱き付くとかして体重預けろよ」
「でも…」
「擦り付けてにおいつけてくんねぇの?
遥登は俺のシャツ着てんのに」
長岡は上目遣いでにっこりと微笑んだ。
まるで性的なことなどしてないかのように、綺麗に。
「はーる」
とうとう三条は長岡の首に抱き付いた。
「遥登のにおい、すげぇ好き」
そして、恥ずかしくて顔を埋めた。
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