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第96話

「じゃぐじ...っ、」 「ん? あぁ、してみっか」 長岡がなにかに触れると同時に、気泡吹き出し口からボコッと空気が漏れ、それを堰に一気に溢れ てきた。 ブクブクと泡が身体に当たっては弾けて擦った い。 「くすぐったい…っ」 「血流良くなるから、のぼせやすくなんのが玉に瑕だよな」 「え…?」 元々、風呂とはそういうものだろう。 だから、食事をしてすぐの入浴は身体の負担になる。 そう、思ったのに長岡は耳縁に歯をたてた。 「あんま激しく出来ねぇだろ」 雄の色気にクラクラする。 湯にのぼせるよりも先に長岡にのぼせてしまう。 それなのに、長岡は耳を弄るのをやめない。 ピチャッと濡れた音が鼓膜に吹き掛かる。 舐められているんだ。 熱が伝わってくる。 頭が沸騰しそうだ。 更には腕を掴んでいるのは反対の手が腹に回ってきた。 抱き締めるように抱き寄せられ、背中に長岡の胸が触れる。 まだ反応していないソレもケツにしっかりと当たっている。 「風呂から出てっ、ちょ... あっ」 「ジャグジーで、が醍醐味の部屋だろうが。 ぬるくすっからやばくなったら教えてくれ」 後ろを向くように顎を掴まれ、キスをする。 長岡の髪から冷たい雫が落ちてきているのに、アツい。 アツくて、もうのぼせそうだ。

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