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飼ってあげる 9
緋音さんが出てくるのをベットに座って待っていた。
一人暮らしで賃貸(ちんたい)なので、2DKの手狭なマンションで、人が来ることもあまりないし、そもそもオレ自身が緋音さんのマンションに入り浸(びた)っているから、この部屋にはあまりいない。
緋音さんがツアーでいないとか、着替えを取りにくるとか、そういう時にしかいない部屋なので、この部屋に緋音さんがいることがものすごく不思議だった。
そんな違和感を抱きながら、緋音さんがシャワーから上がるのを待っている。
小さな音がして、反射的に顔を上げると、シャワーを浴び終わった緋音さんが、そっとドアのところに佇んでいた。
オレのパジャマはやっぱり大きくて、袖(そで)をだいぶ巻くっておかないと手が出ない状態で、裾(すそ)も長くて緋音さんの太腿(ふともも)が隠れるほどだった。胸元が大きく開いていて、白い肌が煽(あお)ってくる。
オレは思わず視線をそらしていた。何となくパジャマの上着てもらえばいっかという、安易(あんい)な考えのせいで大変なことになった。
これあれだ。『彼シャツ』ってやつだ。あーうん狙った訳じゃないんだけど、全然違うけど。
結果的に、めちゃくちゃエロくて直視できない!
「おーい、珀英」
緋音さんがオレの前に立って、オレに跨(またが)るように座る。オレの首に両方の腕をかけて、首筋に顔を埋(うず)めて抱きついた。それでもオレは顔を最大限そらして、衝動を抑えようと頑張ってて。
こんな格好で跨ってくるから、本当にこの人の危機管理能力を疑う。めちゃくちゃに犯されても文句言えないこと平気でしないで欲しい。
正面から体が密着して、緋音さんから甘い香りが漂ってくる。
うちのボディソープの匂いだった。
こういうの本当に無理・・・我慢できない・・・。
「おい、こっち向け」
「・・・はい」
逆らえる訳もなく、緋音さんを正面から直視する。
予想通り、ダボダボの大きなシャツから緋音さんの色んなところが見えて。1番上のボタンを締めていないだけで、可愛い乳首見えそうだし、流れる鎖骨が滑らかで舐めたいし、裾から伸びる白い柔らかい太腿に噛みつきたいし。
それに・・・絶対に下着はいてない・・・。
緋音さんはオレの視線が自分の体中をまさぐっているのをわかっていて、わざと脚をずらしたり、腰を浮かせて座り直したりして、判りやすくいやらしく誘っている。
こんなの我慢できるわけないじゃん!!
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