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第三章・9

 誠はバスローブをまとい、リビングで酒を傾けていた。 「お、上がったな」  グラスを置くと立ち上がり、露希の肩を抱いて寝室へと促した。 「誠さん、僕と寝るの?」 「さて、寝るまで行けるかな?」  どういう意味だろう。  答えは、ベッドの上で教えられた。 「組長が露希に求めるのは、セックスのテクニックだ。それが巧くないと、ご機嫌を損ねる」  これから私が、それを露希の身体に叩き込む。  そんな誠の言葉に、露希は不安になった。 (まさか、誠さんは昨日の人たちみたいに乱暴じゃないよね) 「まずは、キスからいこうか」 「良かった……」  キスだけなら、痛いことも無いだろう。  露希は、誠と唇を重ねた。

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