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第九章・10

「露希、すまん。少し動くぞ」  初めて聞く、切羽詰まった誠の声だった。 「ん、ぁ。ぁぐ、うッ! んッ、んッ、ん、くぅッ!」  柔らかな露希の喉奥まで、まるで余裕なく責めて来る誠のペニス。 (誠さん……。誠さん!)  露希は、歓喜に満ちて彼を受け止めた。  テクニックのレッスンではない、素の誠を受け入れることは、何にもまして嬉しかった。 「あ、あぁ。ダメだ、出そうだ」  誠の声に、露希は唇をきゅっと締めた。  来て、誠さん。  お願いだから、来て! 「……ッ!」 「んんッ! う、んぅ。んんぅッ!  甘苦い誠の精が、露希の咥内に放たれた。  露希は、それを必死で飲んだ。  一滴も零すまいと、吸い込みながら飲み下していった。

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