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第九章・11

「……っあ。はぁ、ふぅ。ん、んぅ、ふぅう……」  やがて唇を離した露希の髪を、誠はさらさらと梳いた。 「すまなかった」 「ううん。嬉しい。すごく、嬉しい」  脱力した誠のペニスを、露希はぺろぺろとていねいに舐め清めた。  誠は、そんな露希に点数を言ったりしなかった。 「露希」 「ん?」 「露希も、私には絶対いなきゃならない人だよ」 「誠さん」  露希の胸は、高鳴った。  どうしよう。  言おうかな。言っちゃおうかな。 「あ、あの。ね。誠さん。僕、誠さんのこと」 「愛してる」 「え……」 「愛してるよ、露希」 「誠、さ……、ん。僕も、僕、も……」  後は、言葉にならなかった。  露希の瞳からは涙が次々とあふれ出た。  そんな露希を、誠はしっかりと抱きしめた。  ずっと、ずっと抱きしめていた。

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