86 / 100
第十章 幸せな日々
『愛してるよ、露希』
そう誠が告白してから、二人は毎日愛し合った。
残された日々を、灰も残さず燃やし尽くすかのように。
「あ、はぁ、あ。んっ、ん、ぅん……」
「気持ち悦いか、露希」
「うん……」
それは、露希のテクニックを磨くためのものではなく。
組長を悦ろこばせるためのレッスンではなく。
ただ、二人の。
誠と露希のためだけの、睦ごとだった。
そして、最後の夜。
今夜が、二人でいられる最後の夜だ。
明日、露希は組長へ贈られる。
そんな残酷な事実が、よりいっそう二人を燃え上がらせた。
ともだちにシェアしよう!