私は常に悪夢の中にいた。 　懇願の叫び、断末魔の悲鳴....。 　尽きることの無い嘆きの声の中に私はいた。 　それはかつては私と私の愛しい者、同胞達が流した血、溢した涙、引き裂かれた肉体と心......その購いのために、私は私の憎むべき人間達に制裁を与える。 　魂を引き裂かれ、尊厳を踏みにじられ、肉体を切り刻まれる痛みと苦しみに全ての者が倒れ伏し、崩折れる。 　傲慢な人間達が深い後悔と嘆きのうちに赦しを乞う。私は其れを当然の如く踏みにじり、地獄への扉を開ける。 　私は生ける死神。この世に在りつつ、もはやこの世には無いもの。 　私が示すものは破滅。私が与えるものは煉獄の苦しみ。 　私の肉体はあの時から生ける屍となり、 　私の魂はあの時から怨嗟のうちに沈んだ 　だが、どれ程の血、どれ程の屍を積み上げても、私の悪夢が尽きることはない。 　ただ、あの微笑みだけが、束の間の安息をくれる。 　ラウル-ヘイゼルシュタイン....悪魔から生まれ出でた小さな天使。 .......今夜、私はお前を殺しにいく。