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09.あてられたのは(4)

 ギルベルトが止める間もなく、ジークは自身の服を緩めようとする。けれども、力が入らないのかなかなか上手く行かない。  見かねたギルベルトがその手を払う。払うなり、早急に腰へと巻かれていた紐を解き、そのまま下衣をずり下げた。  待ちかねたようにジークのそれが顔を出す。痛々しいほどに張り詰め、びくんと跳ねたその様相に、呼応するよう、ギルベルトのそれも服の中で大きく脈打った。  もともとギルベルトは女も男もいけるたちだが、どちらかと言えば男を抱く方が好みだった。そうすることで、より征服欲が満たされる気がするからだ。  自分はあくまでも享楽主義の節操なし、子供嫌いなタチ専……だと今でも思っている。 「あっ……!」  ギルベルトの手が、爪が、ジークのその表面に線を描くように触れる。刹那、ジークは唇を戦慄かせ、先端から白濁した液体を迸らせた。 「お、前……早っ」  ギルベルトが呆れたような声を漏らす。  よく見ると、やはりすでに何度か達したような痕跡もあった。  ジークは堪えかねたように吐息を震わせて、飲み込み損ねた唾液を首筋へと伝わせた。  ギルベルトはもったいないようにそれに舌を伸ばしかけ――けれども、身体がそれを拒絶した。先ほどの不快な何かが、よほどひっかかっているのかもしれない。  キスできないのが惜しい。きっと本来の唾液はもっと美味なはず――。  思うものの、それはやめた方がいいと頭のどこかで警鐘が鳴る。 「ちっ……」  ギルベルトは舌打ちし、「まぁいい」と吐き捨てながら下腹部へと視線を戻した。  ジークの衣服を最低限だけ引き下ろし、力尽くでその身体をひっくり返す。腰を引き上げ、強引に掲げさせたそこに手を伸ばすと、何の躊躇もなくあわいを左右に割り開く。  ジークはその間もずっと目を閉じたまま、ただされるままにシーツに頭を押し付けていた。  慎ましくも蠱惑的にひくつくそこは、幾度となくジークが吐き出したもので十分に潤っていた。  ギルベルトはそれだけ確認すると、当然のように自らのベルトに手をかけた。 「んっ……ふ、ぁ……っ」  早く、と急かすように、ジークの身体が伸び上がる。纏わりついてくる香りが、いっそう甘やかにギルベルトを誘う。  前たてを寛げ、取り出した怒張の切っ先を、ギルベルトは迷うことなくそこに宛がった。先端を密着させただけで、くち、と微かな水音が響いて、吸い付くように窪みが僅かに口を開けた。  ――その時、うっすらとジークの目が開いた。

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