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♥【閑話】あてられたのは(裏)ラファ×ギル(2)

「なんで、この俺様がっ……お前なんかと――んん……っ……!」  やたらと甘い匂いのする目の前の男に、今にも突っ込もうかと言うところ――実際、先っちょは入ってたはず――で、突然はじけ飛んできた窓枠には正直びびった。心臓が口から飛び出るかと思った。  しかも、そうした相手は俺がもっとも嫌いなクソ天使(ラファエル)で……。  不本意ながらも微妙に動揺していたら、どさくさに紛れて俺様の立派な大剣をお粗末とか抜かしてくるし、ばりっとメシから引っぺがされかと思うと、あまつさえ、胸倉を掴まれたままキスまでされてしまった。  次には何故か俺の方(こっち)がベッドの上へと押し倒されているし――。 (こいつ……マジか?!)  両手を頭上に縫い止められて、文句を言おうにも再び口を塞がれて、滑り込んできた舌に自分のそれを絡め取られる。  さっきまで触れていた男のせいか、身体に燻ったままだった熱はそれだけで一気に温度を上げた。  けれども、いつもならその程度でここまで力は抜けない。ここまで視界は滲まない。――ここまで顕著に反応はしない。 「……っん、んん……!」  外気にさらされ、萎えかけていた屹立が、たちまち張り詰め、反り返っていた。  俺の下から逃げ出したばかりの黒髪の男が、こちらを見ていることにも気が回らないほど、頭の中が茫洋としていた。  もちろん、その直後に彼が部屋から出て行ったことにも気付かない。気付かないというか、もうそんなことに頓着する余裕はなくなっていた。 「キスだけでこんなになるなんて……はしたないですね」  ラファエルの手が痛いくらいに勃ち上がっている俺のそれに触れる。  その刹那、まるで電気が走ったみたいに俺の腰が大きく跳ねて、 「――あ、あぁあっ」  堪える間もなく上げてしまった声と共に、びゅる、と先端から白濁した液体が飛び散っていた。

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