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大好きな人9

こいつとのセックスは苦手だ。 やたら甘ったるくて、どうすればいいのか分からなくなる。 俺のことなんて、道具のように粗雑に扱えばいいのだ。 そっちの方が、ずっと慣れている。 ずっと、俺にとってのセックスはそうだった。 それなのに、こいつは…。 「新しいローション買っといてよかったー」 「っ、いちいち言わんでいい…」 「きっと真志喜も気にいるよ」 「は?」 どういう意味か聞く前に、下着も脱がされひんやりとした空気を肌に感じる。 「っ、おい、尻揉むな…っ」 「んー。相変わらずいい形だねー。サイズ感もかわいい」 「死ね…っ」 耳を引っ張ってやると「ごめんごめん」と笑いながら手を離した迅は、ローションのボトルを掴み、ぬるく手で温めてから後ろへと指を這わせた。 やがてゆっくりと中へ入っていくのを感じ、キュッと眉を寄せる。 ローションのせいで耳に届く卑猥な音がやけに大きく聞こえた。 少し経って、異変に気づく。 なんか中が、やけに熱い…? 「このローションね、熱を帯びるタイプらしいよ」 「は!?っ、お前…やりやがったな…ッ」 睨みつければニコリと微笑み返され、指を2本に増やされる。 その指が俺の弱い部分を擦るたびに、じわじわと高まってくる何かに体が震えた。 「っ、勝手に変なモン使いやがって…っ」 「でも気持ちいいでしょ」 「この野郎…っ。もう怒った!誰がテメェなんかに突っ込ませるかハゲ!」

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