40 / 208
大好きな人12
少しの間止まっていた迅が動き始める。
また高まり始めた快感の波に、俺は呻いた。
前立腺を責め立てられ、強すぎる快感に上手く息ができない。
「や、めろっ…くそ…」
「こーら。くそとか言わない」
「ぁ、ぁ、ん、んん…っ」
「ねぇ、真志喜…、言って」
あやすように手を握られ、腰の動きが早まる。
どんどんと体が甘く痺れて、握られた手に力が入った。
至近距離で俺の顔を見つめながら、迅が囁く。
それに真志喜は、自分の顔を盛大にしかめた。
「もう、お前、うるさい…っ」
「…凪さんには、言うのに」
「はっ?」
「好きって、凪さんには言う」
少し拗ねたようにいった後、弱まっていた律動が強まる。
そして中心も手で擦り上げられ、更に追い込まれていく。
言ってる意味が分からないし、何か言い返したいのは山々だが、それ以上に膨れ上がる快感で身を仰け反らせた。
「ぁ、ぁ、は、やぃ…っ、はやぃ、からぁ…っ」
「っ、真志喜、かわいい。真志喜…」
「やだ、やだ…っ。もう、キライ…っ、迅なんて、キライぃ…っ、──っっ…!!」
限界まで高まった熱が、全身を突き抜ける。
その直後に迅が息を詰めたのが分かった。
きっと迅も射精したのだろう。
荒い呼吸のまま、近づいてきた迅に唇を重ねられる。
それから何度も啄むようなキスをして、ギュッと抱きついてきた。
「…重い」
「ごめんね。でも、ちょっとこのまま」
「は?って、…っん」
首筋に顔を埋めたと思ったら、そこに口付けられ強く吸われた。
すぐに跡を付けやがったことに気づき、その頭をはたく。
「おいッ、ふざけんな」
「真志喜、肌白いから目立つね」
「うっさいハゲッ」
「だからハゲてないって」
こいつの無防備な笑みは、どうしていいのか分からなくなる。
ヒリヒリする首筋を押さえて、俺は熱くなった顔を枕を埋めた。
ともだちにシェアしよう!