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ショッピングモールへ

誘われた嬉しさで来ちゃったけど、これでよかったんだろうか。 今まで友達と遊ぶことはもちろんあった。 でも中学と高校は違うだろうし、数ヶ月も誰とも遊んでいなかったブランクは大きい。 緊張して昨日あまり眠れなかったし、集合時間の一時間も早く着いてしまった。 「何してんだろ、僕…」 なんだか自分が惨めに思えてしまい悲しくなる。 シンくんだって偶々気が向いて僕を誘ってくれただけだろう。 彼にはたくさんの友達がいるのだ。僕なんかが本来一緒に遊べる相手ではない。 多分シンくんは僕の素顔を知っても問題ない側の人間だ。 確かに顔を見られてから喋りかけられることが増えたけど、それは今までの言い寄ってきた人たちとは何かが違う。 どう違うのかと問われれば上手く説明できないけど、彼からは危険な匂いを感じないのだ。 その時ふと、こんなことを考えている自分が情けなく思えて溜息が出た。 ただの好意を勝手に警戒したりして、僕ってほんと嫌なやつ…。 「おーい天野ー!」 「…っ」 集合場所にしていた時計塔へ、見知った人物が駆け寄ってくる。 僕が振られている手を振り返せばいいのか迷ってあたふたしている間に、シンくんは目の前までやって来ていた。 「待たせたかな?ごめん、早かったんだね」 「あっ、う、ううんっ。今来たとこだよ…!」 嘘つけ。一時間前からいたぞ自分。 「そっか!…って、それ学校じゃなくてもしてるの?」 「え?」 指摘されたのが眼鏡とマスクだと遅れて気づいた。 何て言い訳しようか思いつかないでいると、ビシッと指をさされ反射的に気をつけをしてしまう。 「せっかくだし、取った方がいい!」 「え。む、無理…!」 「なんで」 何の被害に遭うかわからないからです!とは言えずに言いよどむと、彼は何か思いついたみたいに「あっ」と声をあげる。 「もしかして恥ずかしいとかっ?」 「へ?あ、いや…」 「大丈夫だって!つーか少しずつでも慣れてかないと、いつまで経っても変われないよ」 「うぐ…っ」 勘違いしてるのに、言ってることは的を得ている。 「学校では無理でもさ、別の場所でちょっとずつ外せるようになろうよ。ずっと付けてんの、苦しいでしょ?」 「……うん」 「じゃあ取ろう!」 ここまできて取らないのは彼に悪い気がした。 それにシンくんといるなら、誰かに何かをされることもない気がする。 いっそ彼のイケメンパワーで僕の存在感を消してくれないだろうか。

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