13 / 216

ショッピングモールへ2

試しに、取ってみてもいいのでは…? 震える手でマスクに手をかける。 ゆっくりと外し、家以外では久し振りに外の空気を直に吸った。 息苦しかった壁が取り払われ、冷たい空気が頬を撫でる。 次に眼鏡だ。 これは大分野暮ったい見た目をしていて、かけるとかなり印象が変わる。 もしかしたら学校でマスクをしなくても、この眼鏡だけで十分だったのではと思っているくらいだ。 まぁ小心者の僕はマスクまでしないと安心できないのだけれど。 恐る恐る眼鏡も外し、僕の必須アイテムは鞄の中へと仕舞われる。 なんだか顔を晒している状況が落ち着かなくて、僕は俯いてしまった。 「……もったいないよな。すごい美人なのに」 「え?なに?」 「ううん、別に」 シンくんが何か呟いた気がしたけど、彼は聞き返した僕に笑みを浮かべるだけだった。 相変わらず笑顔が眩しい。 やっぱり顔はその人の身の丈に合う合わないがあると思うのだ。 シンくんはなるべくしてなったイケメンだと思う。碧兄とかもその一人だ。 キラキラしてて、いつも笑顔で、人気者で…。僕なんかとは違う、凄い人。 「あーお腹すいたぁ。昼ご飯、食べるよね?」 「う、うんっ」 軽い足取りで目の前のショッピングモールへと歩いていく彼を追う。 僕は緊張だけではない感情に、胸を高鳴らせていた。 見られているのがわかった。 ショッピングモールを歩く僕らに向けられる視線に、自然と体が萎縮してしまう。 今すぐにでもマスクを付けたいけれど、隣で歩くシンくんに悪いと思ってそれができない。 彼は楽しそうに何を食べようかを喋っているが、正直僕は気が気でなかった。 久しぶりに外で顔を晒したせいもあるのだろう。 まだ顔を見せていた中学の頃よりも一層周りに敏感になってしまっている。 「でさー。って、天野話聞いてる?」 「え?あ、ごめん何?」 「もー。せっかく二人で遊びに来たんだし俺に構ってよー」 「ご、ごめん」 拗ねてしまったシンくんに苦笑いを浮かべる。 確かに、今日は遊びに来ているのだ。いつまでも怯えていてはシンくんに失礼だろう。 無理やりにでも周りを意識から切り離そうとした僕だが、それは後ろからかけられた声によって阻まれてしまった。 「ねぇ君たち高校生?」 「え?」 振り返った先にいたのは三人組の女性だった。 露出の多い服に明るく染めた髪。まったく見覚えのない人たちだけど、何の用だろうか。

ともだちにシェアしよう!