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1. 始まりはいつも… ※

「せんせっ…もう…ダメ…」 新田 櫂(にった かい)が声を振り絞るようにして 苦しげに限界を伝える。 俺はそれを無視して激しく腰を打ち付けた。 「ぁ…あ……」 ベッドに顔を沈めて、尻だけ高く上げ 動物みたいに俺に後ろから犯されている。 手綱でも引くように、俺が片腕を引っ張って 腰を振っているから、倒れることもできず。 痛いのか気持ちいいのかも分からない ただ切な気な声を漏らし続けて。 俺は別に新田がどう感じてるかなんて どうでもよくて、ただひたすら自分の快感だけを 追って、出したくなったところで、躊躇いもせず 新田の中に全部吐き出した。 全部出して気が済んだ俺は、新田をベッドに 放置してさっさとシャワーを浴びた。 シャワールームから出てくると新田は先ほどと 同じ姿勢のままベッドに倒れていた。 「さっさと起きろよ」 俺が服を着ながら言うと、少しだけ新田が 体を動かした。 倒れたままの新田の顔の前に携帯をかざして 先ほど録った映像を見せる。 「今日の事、誰かに話したら この画像ネットでばらまくから そのつもりで」 新田は眉をしかめてそれを見て、小さく1度 頷いた。 「ちゃんと家に帰れよ」 言いながら、ホテル代とタクシー代程度に 1万だけ新田の顔の前にヒラリと投げて 1人でラブホの部屋を出た。 外に出ると熱帯夜だ。 体温と変わらない位の湿った空気が 体にまとわりついてきて、ウンザリする。 早足で歩きながら、1度だけ、今出てきた ホテルを振り返る。 ー アイツ…ちゃんと家に帰るだろうか… 新田の心配をした訳ではない。 アイツが帰らなかったりしたら後々面倒な事に なりかねない…。 俺は自分の心配だけをしていた。 新田は俺の学校の生徒だ。 そう、俺は教師だ。 彼の高校で英語を教えている。 数時間前までは、ただの教師と生徒だった。 こんな所で会わなければ…。 きっと俺たちはずっとただの教師と生徒だった。 お前が悪いんだ。全部お前が。

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