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夏休み。生徒が夜の街を徘徊していないか 教師が繁華街の見回りをしていた。 その日も他の教師と2人組で見回りをして 何人かの生徒を見つけて、帰るように声をかけ 決められた時間まで見回りをして、その後 同僚の教師とは別れた。 俺はついでにファミレスに寄って軽く食事をとり ついでにビールを何杯か飲んで 終電に間に合うよう、余裕をもって店を出た。 そのとき俺はなぜか、真っ直ぐ駅には向かわず いかがわしいホテルが何件か立ち並ぶ、裏通りを 通って帰った。 そこで見つけてしまったのだ。 新田 櫂が、中年の男とホテルから出てくる 瞬間を、まさにバッタリという具合に。 中年男性は家族のある身だったらしく。 俺の追求に分かりやすくタジタジになって 脂汗をかき、ひたすら何もしていないと 繰り返した。 新田はうつ向いて黙りこみ、どこか開き直った 様にも見える態度で落ち着いていた。 新田がもしこの時、この相手の男のように 動揺して、ウソでも何でも言って、許しを乞えば 俺はこんな事をしなかった。 二度とこんな事をするんじゃないぞ、と 優しく笑い。肩を叩いて。 今回だけは見なかった事にしてやる、と 家に帰しただろう。 俺に見られて、しまった、という顔を見せたのは ほんの一瞬だけだった。 取り乱す男の横で、どうでもよさそうな態度を 崩さない新田を見て、可虐心が込み上げてきて 俺はその出来心を止められなかった。 ひたすら無かったことにしようとする男の 言葉を信じた事にして、先に帰し 俺はそのまま新田をそのホテルに連れ込んだ。

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