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櫂はもう俺に会いたくないだろう。
ひょっとしたら怒りにまかせて、学校や
親に 俺から暴力を受けたと報告するかも。
殴られた痕は残ってるはずだ。
それくらい力任せに殴った自覚はある。
最初の時よりひどい抱きかたをした。
レイプと変わらない…。
もう、彼を躊躇わせる理由はなくなった。
それでも…どうでもいい。
何も考えたくない。
早く忘れたい。
あんな櫂を見たくなかった。
おそらく男の経験の無い間宮を
いとも簡単にその気にさせて
あんな顔で笑う…。
そんな櫂は俺の知ってる櫂じゃない。
俺が好きだった櫂じゃない。
そうだ、認めることが怖かったけど
俺は櫂に恋してた。
今さら遅い。
自分で壊した。
だからもう忘れたい。
最初から全部 無かった事にしたい。
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