95 / 108
踏み出す11
中心を包み込まれ、堪らず足先に力が入った。
上下に擦られ、親指が裏筋を根本から先端にかけてなぞれば、その背をのけぞらせて千里は喘いだ。
「ここ、気持ちいいのか?」
「ん、ぁあっ、や、ぁ…っ」
膨れ上がる快感から逃れようともがき、シーツに皺を作る。
白く美しい体のラインが、月明かりに照らされる。
その艶かしい千里の姿に、幸はゴクリと喉を鳴らした。
そして徐々に手の動きを早め、千里の胸に口付ける。
「あぁっ、やだっ、ゆき、さ…っ、い、く…っ」
「…いいぞ。千里の全部、俺に見せて」
「は、ぁあ…っ、も、だめぇ…っ」
胸の蕾を強く吸われ、千里は快感を弾けさせた。
大きく身をのけぞらせ、ピクピクと痙攣する。
その姿を、幸はジッと見つめていた。
「…千里、可愛い。すごく可愛い」
「ゆき、さ…」
くたっと脱力していた千里は、ちらりと己の精液で汚れた幸の手を見る。
そして次には体を起こし、その手を口に寄せ、ペロリと舐めていた。
「!?」
「……ん?……あっ」
驚愕する幸を見上げキョトンとしていた千里だったが、次には自分の行動に気付いて我に返る。
どうしよう。
こんなことを無意識にしてしまうなんて、絶対に引かれてしまった。
「す、すみません…っ」
バッと離れて顔を俯かせる千里に、幸は今のを誰が教え込ませたのかと考え怒りを感じた。
あの男、許せない。
やはりもっと、それ相応の制裁を加えるべきだった。
「…あの、幸さん…?」
「……いや、千里が謝る必要はない。気持ち悪くなんかないから。大丈夫だ」
「…っ」
そう言って抱き寄せると、千里がピクッと肩を揺らす。
そしてグスリと鼻をすすり、幸の胸に顔を埋めながら、「はぃ…」と小さく返事をした。
ともだちにシェアしよう!