80 / 80

寝床(祈織)

あきらくん、今日泊めて と、あきらくんにLINEをして 今日の夜の寝床を確保した あきらくんがダメだったらビジネスホテルとかにしようとしたけど あきらくんが泊めてくれる事になったからとりあえず一安心した ビジネスホテル、予約の仕方とかは会社の出張でなんどか予約取ったことあるからわかるけど 1人で泊まるの緊張するし。 つぎ、いつ匡平の家に帰れるんだろ 匡平はしばらくは忙しそうな雰囲気だったし 2人でご飯食べてからあきらくんの所に行く事にして、仕事の後に待ち合わせをした 「いっおりーん。どこいく?トリキ?庄屋?魚民?」 『んー、ロイホ』 「は?飲まないの?」 『おれ車だし』 「なんでよ。置いてこいよー」 『荷物多かったから。あきらくんの家の近くタイムズあったよね』 「あったけどさー。じゃあさっさと食べてオレんちで飲み直そ」 『…うん、』 本当はお酒は飲みたくない。 昨日も一昨日もおねしょしたから 「なんで今日オレんちにお泊まりしたいの?」 『んー、おれいま家ないんだよね』 「は?なんで?」 『…ちょっと手違い』 「社長のとこ行けばいいじゃん」 『昨日までは匡平のところいたけど出てきた』 「なんで?」 『勘違いして恥ずかしいから』 「なにそれ」 『家見つけるまではたまに泊めて』 「いいけど。でもエッチな事したら怒るでしょ?」 『うん。おれはもう匡平のだからそれはダメ』 「つまんね」 『エッチなしだとお泊まりだめ?』 「ダメじゃないけどさ。見るのはおっけー?」 『見る?』 「いおりんがひとりでしてるのとかおもらししてんの見る」 『…しねえけど、あきらくんの前でひとりエッチもおもらしも』 「ええ、」 『…でも、おねしょ、するかも』 「え!おねしょすんの!」 『…最近3日ぐらい続いてる』 「やった!じゃあおねしょシーツの代わりにおしっこシート敷いてあげる」 『なにそれ?』 「ペット用のトイレのシート」 『いや、おむつ持ってきてるし』 「ええ、せっかくだからびしょびしょにすればいいのに」 『やだよ、片付け大変だし』 「そのためのペットシートじゃん」 『そもそもなんでそんなん持ってんの。あきらくんペットかってないじゃん』 「オレは飼ってないけど柳瀬さんは飼ってるじゃん?」 『は?うん、あさり?』 「そう。だから、オレもいつでも柳瀬さんのペットになれるように練習しとこうと思って」 『くるってんな』 「普通だよー」 と、あきらくんは相変わらずおかしいけど 泊めてくれるのは嬉しいからこれ以上突っ込まないことにした 「いおりん赤ちゃんだからお泊まりする時泣いちゃってたけど最近大きくなったからお泊まり出来るんだね」 『赤ちゃんじゃねえし。できるから』 「うっそだあ。昔オレの家に泊めたら泣いてたじゃん」 『それはあきらくんが意地悪するからじゃん』 「してないよ?いじわるなんて」 うそつけ、あきらくんはだいぶいじわるだ あきらくんとファミレスでご飯を済ませて あきらくんの家の近くまで車で行って 近くのタイムズに止めてからコンビニでお酒を買ってあきらくんの家に帰った あぁ、今日はもう匡平に会えないのかと気付いて寂しくなった 『あきらくん、おれちょっと電話してからあきらくんの家に入るから先入ってて』 「え?なに?仕事?」 『違う、けど、ちょっと電話するだけ』 「いいけど社長もしかしたらこの時間仕事終わってないかもよ」 『…あいつに電話するとか言ってねえじゃん』 まぁ、そうなんだけど 「まぁいいや。鍵開けとくから勝手に入ってきてね」 『うん、分かった』 と、あきらくんを見送って直ぐに電話をかけた 出てくれるかな あきらくんの言った通り仕事中だったら出ないかもしれないと思いながら 4回コールを鳴らしてもう出なさそうだから切ろうかと思った時だ 「もしもし、祈織、どうした?」 と、匡平の声が聞こえて一瞬ドキッと心臓が跳ねたから、電話越しの匡平にバレないように深く息を吸う 『もしもし、匡平』 「あぁ、どうした?」 『匡平仕事は?』 「終わったよ。今家戻ったとこ」 『そっか、』 「お前は?あきらくんと今日遊んでんだろ、あ、大丈夫か?いじめられた?」 『いじめられてないよ、電話したくなっただけ、匡平と』 「そっか、ありがとな」 『うん、匡平、今日どうだった、』 「どうって、いつも通りだけど…うん」 『そっか、おれも、いつも通り、』 と、いざ電話したら何を言っていいか分からなくなってよくわかんない会話をしてしまう 「朝会社行きたくねえって言ってたろ、大丈夫だった?」 『大丈夫だよ、行ったら別に嫌じゃないって。朝起きんの嫌なだけ、』 あと匡平と離れるのが嫌だっただけ 「そっか、なら良かったけど」 『じゃあ、またね、あきらくん待たせてるから』 「あ、ああ。なんか用事あったわけじゃねえの?」 『ないよ、匡平の声聞きたかっただけ』 「なんにもねえならいいけど」 『うん、大丈夫、おやすみ、匡平』 「あぁ、ちゃんと寝ろよ。おやすみ」 と、電話をきって ふぅ、と息をした 匡平の声聞けてよかった、 匡平と電話するとにやけちゃいそうになる あきらくんにそんな顔見せるの恥ずかしいから ちょっとほっぺたを触っていつも通りの顔か確認してから戻ることにした

ともだちにシェアしよう!