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第159話

「おいおいまじかよ」 「光輝は知ってたけど柊と五十嵐すげーな…」 「バスケ部より上手くね?」 「俺があそこに入ったら息切れヤバそう…」 俺達のチームと光輝達のチームが戦っている時、外野のクラスメイトからはそんな声が聞こえていた。 それもそのはず、お互い互角の技量でシュートまで辿りつかない。 ゴール前で取ったり取られたりの繰り返し。 外から見ると疲れるくらいに走り回っていた。 だけど当の本人は疲れなんて感じない程に楽しくやっていた。 「ユズパスパス!…サンキュ!」 「待てこら、五十嵐奪え!」 「あっ!返せ!」 ユズにパスを貰いシュートするつもりが取られてしまった。 光輝と彰が2人掛りで奪いにくる。 また走り、彰に追いつく。 「カットぉ!」 「足速ぇーよ」 「彰が遅いんじゃん?」 「はぁ!?」 彰と言い合いながらパスを回す。 ピピーッと笛が鳴り、終了を知らせる。 「うわぁ〜、引き分けぇ〜?」 「疲っれたぁ〜」 あんなに白熱したにも関わらず、結果は引き分け。 それでも試合が終わると観戦していたクラスメイトからは拍手があがった。 てゆーか! 「ユズ絶対運動神経いいでしょ!?」 本人は首を振って否定する。 いやいやいや、ユズのパス正確過ぎて… 俺がどれだけ走ってもちゃんと手元に届く。 でも楽しかった! 「またやろーね!」 「「おー」」

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