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最終章 もう抗わない 幸せなつがい 七

 余談だが、琉に告白しようとしたフロンは見事に振られたようだ。  ミュータントの正体を見せた琉にも臆することはなかったそうだが、(むしろかっこいいと余計惚れてしまったらしい)俺たちがつがいになったということを知り、諦めたそうだ。 (というかいつの間にか琉は好きな時に好きな場所でその姿を変えることができるようになったらしい……俺のピンチの時だけじゃないのかよ!)  フロンはかっこいいとか言ってたくせに、振られた腹いせなのか、ミュータントは怖い。とあちこちの人に言っていたそうだが、俺はもちろんそんな偏見をもったフロンに猛烈に抗議した。  人を見た目で見るなんて何事だって。だってそうじゃないか。人は人種なんて関係ない。どんな種類の人間だって、いや、人間じゃなくって宇宙人だったとしても平等でなきゃいけないと思う。  どんな肌の人間だって、どんな性別どんな種類の生き物だって、そして、琉みたいな新しい人種ともいえるミュータントだって、みんなが幸せになることが一番平和になれることだ。    俺は今琉と人類が平等に生きて行けるように、そういう運動をノースエリアの中央都市大学でやっている。  琉が諦めない限り、俺も諦めない。一人でも多くの偏見者を無くすために……これからも俺たちはずっとこの活動を続けていく。俺がかつてそうだったように、俺が変われたのだからきっと他のみんなも少しでいい変わって行けるはずだと信じて。  俺の中の新しい命が笑顔で暮らせることができるような世の中になるために……。 終わり

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