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「今日もかわいいね」 そんな甘すぎるセリフをハニカミながらいうアンディーに対して「おえ、甘々すぎて吐きそう」と悪態を吐くキー。 「大体、兄さんが一途とか今でも信じr「何?」」 キーの言葉を遮るように言い捨てるアンディー。 ボクからは表情が下からしかみえないけど、視線を向けられたキーは固まったまま「いえ、なんでもございません。」と一言。無言のやり取りがあったようだ。 まあ、客観的にみてプレイボーイだろう。地位も財力も美貌も兼ね備えているのだから、周りが放って置くはずがないのだ。 ベットの上でシーツにくるまったボクを横抱きに抱えながら、「俺はテオ一筋だよ」と再び目元にキスをしてきた。…甘すぎる。 「ちょっとちょっと、私を無視しないで」 ベットのすぐ横の椅子に座っているキーが軽くアンディーの足を蹴った。 「…で、何しにきたの?」 アンディーがキーに向けて言い放つ。 「そうそう、テオをそろそろ学校に通わせたらどう?っていう提案をしにきたの。」 「…。」 キーの話はこうだ。 ボクがここにきてから3ヶ月が経とうとしている。 今まで店に閉じ込められていたからボクには年相応の知識もない。 それではマズいと感じたキーは自分が通っている学校にボクも入学させてはどうだ、と言ってきたのだ。 「…」 「何か言いなさいよ、兄さん」 「でも」 「兄さんだってテオには色々なものに触れさせてあげたいでしょ?それともずっと自分の目の届くところに置いておいて軟禁する気?…他者とコミュニケーションを学ぶのも大事だと思うけどねえ?」 「…わかったよ」 折れたのはアンディーの方だった。 「話が早くて助かるわ〜、父さんと母さんも賛成よ。今日はこのことだけ話に来たの」 「じゃあ、そろそろお暇するから、たまには実家に顔出しに来なさいよ〜」とデッサンを抱えながらドアの方へ歩いていくキーをじっと見つめていた。 「じゃあまたね、会えてよかったわ。」 愛してるわよテオと投げキッスをした後にドアがしまっていった。 「…」 「…」 無言が少し続いて、 「あの、」 アンディー、そう呼ぼうとした刹那 ぎゅうっと抱き締められて 「俺以外に変なことされちゃだめだからね」 「…大丈夫だよ。」 ボクのこととやかくしようなんて人はまず居ないだろう。 育ちが育ちだったからか、自分の容姿のレベルがイマイチわからないのだ。 きっと、最低ラインの抱けるレベルなんだろう 「…テオのばか」 君の魅力を他者に知られたくない。 君は、美しくも儚げな雰囲気を持つ瑞々しい青年だ。 いづれは世の中のことを知るために学校に通わせなければいけないとは感じていた。 一緒にいたいが故にそれを先延ばしにしてたのも事実。 変な虫が付かないように何か策を考えなくては、 そう心の中で誓ったアンディーであった。

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