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頬に感じる生暖かい温度で、目が覚める
霞んで見える視界がようやくクリアに見えてきて、
目の前にはこちらを心配そうに覗き込んでいるアンディーの顔が見えた。
うわ、なんだかぐわんぐわんする。
気持ちが悪い
みぞおちの部分から酸っぱいものが込み上げてくる
「おはようテオ、、気持ちわるい?」
ベッドに腰掛けていたアンディーがボクの脇腹を両手で支え
そのままボクを自身の正面に座らせ、背中を数回さすってきた。
「きもちわるい」
「お水飲んで」
手にしたコップを支えて口元に運ばれたから、
そのまま水を飲むことにした
「う''、ゲッホ」
盛大にむせてしまい、溢れた水で服やら何やら少し濡れてしまった
「大丈夫、大丈夫」
目元にキスしながらまた背中を撫でてきた
「貧血で倒れたって学校から連絡きたときは心臓が止まるかと思ったよ」
少し笑いを含んだ声でそういう
全然記憶ないな、
なんか朝からぼーっとしてて3限を受けてるところまではなんとなく覚えてるんだけど。
でもなんかすごいレモン?柑橘系の匂いがしてた気がする
そういえば、ここマンションだ。
いつの間に・・・?
あたりを見回していると
「え。ちょ、まって…!」
「やだ」
よそ見をしていたのが、嫌だったのか
着ていた大きめのTシャツに手をすり込ませてきた
「俺、こんなにもテオが好きなのに。」
テオがよそ見する、と続けあかい瞳と目が合うと
鼻をガジガジと噛まれる
…なぜ鼻?
「ん、もうわかったわかった」
鼻を噛むのはやめて。
「…全然わかってくれてない」
うーん。
「ちゅ、」
なんだか凹んでるアンディーを励まそうと、考えたけど。
ボクがいつも凹んだときにしてくれているように、アンディーの耳たぶにキスをした。
「っ…!」
じっとアンディーを見つめていると、心なしか色素が薄い頬がほんのり赤く色づいているようにも見えた。
「…もうムリだよ、めろめろ。」
ガバッと覆い被さり、さりげなくベットに横にさせられた
チュと今度は唇を合わせると
「久しぶりだね」
優しい目で微笑まれた。
ああ、確かに。最近、学校のことがあって碌に2人で過ごしていなかった。
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