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武藤 梓(むとう あずさ) 突然だが俺は腰フェチだ。 いや、変態ではないぞ! 腰が好きなんだ!切実に 女の子のあの、ぼん、きゅ、ぼーん。 な滑らかな腰も悪くないが、 男の、あの男らしい 引き締まったラインもたまらなく好きだ。 …………………………。 もう俺は変態でもいいかもしれない。 そんな腰フェチの俺に神様が舞い降りた。 隣のクラスの、氷室 龍(ひむろ りゅう) なんで今まで気づかなかったんだ、ばかやろう。 こいつの腰は正しく俺のストライクゾーン! あの引き締まった太ももから 腰にかけての反るラインがなんともいえぬ。 男らしくて、女の子にはない魅力がある。 俺が、氷室を発見してからというもの 氷室の後ろ姿を見たいが故に 殆どいつも、校内で尾行していた。 そんなある日、俺に悲劇が起こった。 いつものように、氷室を尾行していた時だ 今日も相変わらずいい腰。たまらん すると彼は、ある教室に入っていった。 おっ、あそこは理科準備室………? なんで、そんなところに入るんだ? 俺は気になって理科準備室を覗くことにした。 そーっと覗こうとした瞬間 いきなり腕を引かれた。 「うえっ!?」 え、なになになになに!? おばけ!?どうしよう、 俺チキンだから戦えない 馬鹿みたいに ひえええええってなってると。 「おい」 「ごめんなさい、………って、え?」 目の前には、あの氷室 龍。 おぉ、前から見ても完璧な腰。 じゃなくて、俺にとって お化けより恐ろしい事態が起きた。 尾行してるの気づかれたぁぁあ!?!? どどどどどーしよ。 とりあえず、土下座しとくか? いやまて、尾行してたの気付いてないかもだし。 うぁぁぁぁぁあぁぁあっ、どーする。 「おい」 「はい、すいません」 やべー。まいわーるど☆全開だったぜ。 「最近、俺の周りウロチョロしやがって………喧嘩売ってんのか?」 けんか!?売ってないです!はい。 「売ってないっすよ」 えっ、ちょっと。まてよ。 なんで俺、喧嘩腰なの。 動揺しすぎた、チョイスこれかよ。しね俺 「じゃあ、なんでいつも尾行してんだよ」 「それは…………………」 無口とか隣のクラスで騒がれてるけど ぜんっぜん、無口じゃないじゃん!!! こいつよく喋るよおお なにが、無口でかっこいいだよ。うそつき!! もういいや、もう言っちゃおう。 この空気なんかやだ。 「俺、腰フェチなんです………よ」 言ったよ!言っちゃったよ!! 引いただろうな!!!ハッハー 下を見ていたけど、ちらり、と 顔を伺うことにした。 「へぇ」 え、無反応。 あ、それ以前に俺には 興味ないですよアピール!?

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