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雨ときどき君
雨ときどき君
ちょっと暖かい風が頬をくすぐる
空にはなにやらあやしい模様が浮かんでいる
なあんてちょっと詩人っぽく今の景色を説明してミタ。
もう衣替えの季節。
半袖半袖。
と、一人りゅーくんの隣を歩きながら頭でぼんやり考える
「どっか行きてぇところねえの?」
「んー そうだなぁ」
なんて駅前近くののゲームセンターを横切って少しした時だった
「あ。」
ぽつりと冷たいものが頬に落ちた
それから堰を切ったように雨が降りだした。ツイテナイ
「雨だな」
「うわ!うわ!!」
「うるせえ。…こっちこい」
傘持ってねえよ!どうしよう!なんて軽く慌ててる俺をよそに俺の手を引く。
ついた先は路地裏にある知る人ぞ知る!って感じのお店。でも今はシャッターが閉められている。
中には入れないが辛うじて屋根が少しついてるから男二人ぐらいは雨宿り出来そうだった。
歩いてきた路地の先の表通りをみると雨のせいか歩いてる人はさっきより少なくなった。というか今は誰も通ってない。
「なぁ」
「ん?」
「タオル持ってねえの?」
「はっはー。この俺が持ってるとでも??」
これぞ女子力ならぬ男子力!
ちょーっとうざったらしく言ってみたらチッと舌打ちをされた、えー。なんか酷くね?
ちらっとりゅーくんの方を見てみた。
「…っ!!」
あまりの光景に目を見張ってしもうた。
雨で濡れたワイシャツはところどころビッタリとりゅーくんの肌についてましてですね………なんですか?エロいんですよ。
変にドキドキしてしまうよ俺?え?いいのそれって?
「あ?」
「うわ!」
体をガン見(特に腰)していたらいきなり目が合って死ぬかと思った。…髪とか濡れてるしぃ?雨の日のおまじないか何かにかかってしまったのカナ?なにこの乙女思考。
りゅーくんが俺のことを見てさっきの俺と同じように目を見張る。え?
「……わっ!」
次の瞬間よくわからないが抱きしめられてしまった
ええ。なんか今日すごい、うわ!とかのビックリ系の日本語しか発してない気がするよ。ハハ
それと同時の出来事だった
「ねえ、あれってさ…」
「しっ!聞こえちゃうでしょ」
いやいや丸聞こえだよネェチャン
どうやら表通りを二人の女性が通ったらしい。
表通りから路地を直線に歩けばある店だから、まぁ俺達も丸見えだよね。ちょっとまってヨ。今の大勢、絵的に………
「ホモ?」
そう呟いたのは俺じゃないお
「だから静かに!」
いやいや聞こてるってだから。なんてりゅーくんの匂いに包まれながら思うだけ思ってた。あ、なんか俺だけかもだけど雨の日って洗剤の匂い?増す気がする。いや気がしてるだけかもしれぬ。
なかなか立ち去ってくれない女性たち。
え、誰得なの?君たちなんでスルーしてくれないの?
「りゅーくん」
「あぁ」
名前を読んだ意図がわかったのか。
俺はこの同性不純行為を女性に見られてることが辛いのさ!!
だから離してほしi(
「こうすれば消えんだろ」
「こうって………ん」
驚きを隠せないぞ貴様!
な!ぜ!だ!
ねえ本当になんでキスなの。
ねえ見られてるんだよ?おんにゃのこに。ツラァ
「ちょ、…やっん」
舌まで使ってきやがってくそったれ
なんか気持ちいいしぃ?
足ガクガクするしぃ?
地味に腰に腕回されるしぃ?
今なら光の速さで死ねるワ
「ひゃーやばっ」とか言いながら二人が去る音がしたけど今一番ヤバイのは俺だろうよ。
首をひねってもうやめてくださいアピールしたら口からそのまま舌が首筋伝って最後に鎖骨を甘噛みされて終わった。やぁねぇ。モテる男のやることは男にも通じちゃうのネ。
「はぁ」
一息ついたと思ったら片方の手を頬に添えられた
ちょっとなにこの甘い雰囲気
「えっろ」
もうわけわかんねえよばかめ。
「そろそろ離してください…」
いつまで抱きしめられるのさおれ。
「だめ」
「…なぜだ……」
「乳首透けてっから」
「は?」
男だから別にええじゃろうよ乳首くらい
「えろいからだめ。離さねえ」
「え?…え?」
ぎゅっといっそう強く抱きしめられた
意味不明だよおおおなんだエロいって!
これって乾くまで帰れまてん!みたいな?そんな?
一ついっていいかな。濡れてるシャツくっつけててもシャツ乾くわけなくないデスカ。
「…! ねぇ!」
ゆさっとズボンを擦りつけられ俺は気付いてしまいました。
「…なんで軽く勃ってるのヨ」
「…梓のせいじゃね?」
「おれ?!」
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