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5-4*大人編
「あれ、龍お前もー帰んの?」
早くね?とスタジオで龍に声をかけたのはアキナだった。赤髪、ピアス、そしてロシアとのハーフ。有名ロックバンドのギターをやってる彼は龍の友人のひとりだ。
そしてもう1人。
「阿呆かお前、こいつには愛しのあずちゃんがお家で健気に待っとんねんからはよ帰りとうてしゃーないに決まっとうやん」
疎いわ~と大袈裟にため息をつくこの人物はマヤ。イケメンな顔立ちなのに芸が面白いと今人気上昇中のイチオシお笑い芸人だ。黒髪だけど決して地味ではない、一度も染めたことがないその髪は艶やかだ。
「撮影終わったんだし家に帰る以外なくね」
「は?ふつーのみいこーぜ!とかあってもいいんじゃね?」
「普通に家帰りて」
「もーええやん、もうすぐで1日終わるで。帰らしたりい」
「次時間あるときな。」
そう言い捨て、テキパキと身支度を済ませた龍はお疲れ様と一時。スタジオを出ていった。
「ちょう釣れねえやつ」
「淡白さが嘘みたいにあずちゃん一筋でもう愛やな」
「だよな、デレんの?」
「そんなん知らんわー、でもでれとるやろあの感じ」
「想像できねー」
「ま、オンナ遊びを繰り返してるワイらとは次元違うんちゃう」
「…かもなぁ」
「本物の愛、ええなあ」
玄関で扉が閉まる音が鳴る。
「ただいま」
低いトーンで一言。
「あ、りゅう、おかえりなさい。」
玄関口まで迎えに来る、明るいトーンで出迎える梓をじっと見つめ、その後力が抜けたかのようにあずさの肩口に額を寄せた。
「?、どうした?」
結構疲れてる?
「つかれた」
「そっか、」
お疲れ様、いいこいいこ
子供をあやすかのように龍の髪を撫でる。
「もう、ねる?…って、ちょ、ンン」
「無理、あずさがいい」
噛みつくようなキス
春。色々なものの始まりでもある。
最近、互いに忙しくてスキンシップが急激に減ってしまったからか。セックスももう何週間もやってない。
「ヒッ……くすぐった、」
「擽ったいだけじゃないだろ?ここ」
ラフなTシャツから覗く鎖骨を龍の親指がなぞる。
「梓だって溜まってんじゃねえの?」
「それは…」
「てか、そうじゃなくても俺が無理。あずさ不足」
*
「あっ、…は、はぁ」
びくん、と身体が搖れた。
月明かりのみの空間で、快楽から逃げるように瞑った瞼をそっと開けてみる。真上にはりゅう。
「あずさ」
掠れた声が梓を呼んだ。
暗闇のなか、二人見つめ合う。
手を延ばし、頬に触れた。
「ふ、ふふ」
鼻にかかった笑いが漏れた
龍がゆるやかに、ふたたび動きはじめる。
「ん、?」
「ね、きす」
その言葉が合図だったかのように、行為が激しさを増した。
「あっ、あっ…ん、ふう」
ぐちゅりとかいう水音がとまらない
肌と肌が何度も当たる音
あずさの足に絡んだシーツがあずさの動きと共に擦れる音
震える梓の脚がそろそろ限界が近いことを教えてくれる。
それを察してか龍は焦らすように深いところで蠢く
梓は梓でその焦れったさが、たまらなく好きだった。
「あっ、それきもち、い」
半泣きになりながら龍を誘う
「知ってる、擦れて気持ちいいんだろ?」
奥をカリ部分が引っ掻く
「ひっ」
もどかしい。
自身に手を伸ばし、扱き始めた
先走りが溢れ出ているせいでよく滑る
「あ、ああ」
「は、一人で盛り上がんなよ」
あずさ、と名前を呼ばれる
自身を扱きながら横目で龍を見た
「じゃあ、も、とちゃんとうごいて、」
あまり梓の方からこういう我が儘をいうことは珍しくもあって、久々にぐっときた。
「舌、だして」
べー、と素直にいうことを聞く
喰われた。吸い付かれる。
「ん、ぁ」
首のあたりが妙に火照る
龍しか知らないけれど、龍のキスはうまい方なんだとは理解できる。
一瞬にして骨抜きになるのだ。
キスに気を取られていた梓は突然の下半身からの甘い痺れになす術なかった。
「ふ、ンン、あっあ、」
さっきとは全然ちがうピストン
激しさのあまり丈夫なはずのベットが少し軋む
唇はいつの間にか離れ、龍の両手は梓の細い腰をがっしりと掴んでいた
薄目で龍を見つめると目が合った
どきり、とした
獣のように腰を振る姿に胸が高ぶった
犯されてる
切ない声が途切れることなく漏れた
「、すきだよりゅう」
「ッ、俺も」
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