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スコーピオン ――瞳で酔わせて 12

 太くて雄々しい感触の前に、意地もプライドも消え失せた建樹はそう願ったが、さりとて口には出せずにいると「身体の欲求には素直に従った方がいい、無理はしないのが身のためだ」と言い放った恒星は指を抜き、代わりに熱いそれを差し入れてきた。 「さあ、入れてやったぞ」 「…………!」  声にならない声で、建樹は恒星を迎え入れた。この感覚、身体の奥でずっと欲していながら味わえずにいたものが今、ようやく自分の中にある。 「いい締まり具合だ。さあ、どっぷりと楽しもうか」  恒星はゆっくりと腰を動かし始め、その動きに合わせるように、いつしか建樹も身体を揺さぶっていた。  熱く、強く、奥の部分が突かれる度に建樹は「ああんっ!」とはしたない声を上げ、恒星の背中に爪を立てた。 「どうだ、イイだろう? ほら、もっとイヤらしい声を出してみろ」 「ひっ、いっ、そん……な、ダメ」 「そんなんじゃ足りない、もっとだ。ほらほら、もっと!」  耳元で聞こえる荒い息づかい、恒星の全身から流れる汗が建樹の上に降り注ぐ。  ダブルベッドはギシギシと軋み、ライトが揺れて、天井がぐるぐると回って見える。 「あっ、あっ、イイ、もう……!」  二人の放った白いものがそれぞれの身体にべったりと付く。  こんなにも激しく抱かれるのは初めてだった。狂ったように互いを貪る二人はそれから何度も昇りつめた。  汗と汚れを落とすためにシャワーを浴びようとすると、浴室の中にまで入ってきては再び交わる。

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