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第94話
ーーーSide裕翔
新垣くんがいなくなってから3ヶ月がたった。
響さんは前の響さんに戻って、誰とも関わろうとしなかった。
皆を避ける響さん
僕の声も誰の声も響さんには届かない。
「響ー今日空いてる」
「んー?いいよー」
違った。新垣くんがいた頃とは違う。
響のタイプじゃないんだよ
と言われてた類の人達と関係をもつようになった
「見てらんねぇよ」
那珂川くんも、会長様も、風紀委員長も、皆が言う
それでもさ、今の響さんなら僕だって相手してくれるから。
僕の希望はある意味叶えられたのかな?
断られたのは一回だけ。
あの日覗いたような甘い空気はないけど優しく抱いてくれた。
流はいつの間にか転校していった。
もともと裏口入学だったらしいから仕方ない。
新垣くんがいなくなった理由も響さんがこうなった理由も知らないけど近づくことが出来たのは僕にとって嬉しい出来事。
だって、もとから響さんの心は手に入らないんだから。
体だけでも、
皆もそうでしょ?
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