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【第3話】設定18℃にしていそしむこと(5)

 親指と人差し指で薄紅色のそれをつまんで、幾ヶ瀬はふうっと息を吹きかけた。 「あっ……んんっ」  押し殺した声がもれる。  押し寄せる快感に有夏が必死に抗っているのが分かる。  幾ヶ瀬は左手でクニクニと先端を弄い、つまみ、引っ張った。  もう片方を舌先でつつく。  唇ではさみ、舐めまわし、歯を立てる。  強く吸った瞬間、崩れるように有夏の身体から力が抜けた。 「あっ……幾ヶ瀬ぇ」  両手はのしかかる男の肩をつかむ。  激しい呼吸に、甘い喘ぎ声が混ざり始めた。  とろりと双眸を潤ませる有夏を眼下に、幾ヶ瀬は頬を上気させる。 「今度はこっちを舐めてあげるね、有夏」  くにくにと動かしていた手を放し、しかし有夏に息をつかせる間も与えず。  ぬらぬら動く舌がもう片方の乳首を覆う。 「あ……ぁ、あぁ……っ」  有夏の右手が幾ヶ瀬の髪をかきむしった。  舐めて、吸って、舌と上顎で押し潰して。  そうしながら幾ヶ瀬はもう片方に視線を送る。  先程まで彼の口中にあったピンクのそれは、いやらしく濡れてぷくりと腫れ上がっていた。  今度は右手をそこにのばす。  人差し指の腹でグリグリ強く弄うと、有夏の喘ぎは今にも泣き出しそうに震えをおびた。 「いく……せっ、そこばっか、ヤだ」 「有夏?」  唇を離す。  もちろん、その間も幾ヶ瀬の両方の手で有夏の乳首はいたぶられ続けている。 「有夏はココが好きだよね。今日はココだけでイッてみよっか、ね」  布越しにもわかる。  ガチガチに固くなっているものにわざと触れないように体勢を立て直し、幾ヶ瀬は再び有夏の乳首に吸い付いた。 「ヤだって……」 「嫌なわけないじゃん。気持ちいいんでしょ」  上下の唇で強く挟んでは離し、何度も音をたてる。

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