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【第4話】隣りのアタシはクソビッチ!?(2)
ども。2人の隣人です。
普段はベランダから覗いたり壁の穴から覗いたり……ああ、いやいやゴニョゴニョ……。
妄想ではなく、見たまま聞いたままのことを書きしたためている者っす。
妄想じゃありません。
今日はたまたま有夏チャンに会っちゃったんで、そのことを書こうと思います。
有夏チャンに会ったのは、アパートの階段を登り切ったところです。
コンビニ帰りらしく、スイーツの入った小さなビニール袋を提げてました。
「こんにちはぁ」
アタシが挨拶をすると、すごい無表情で会釈をしてくれました。
「あ、待ってください。胡桃沢さん、お菓子お好きですかぁ?」
胡桃沢有夏(クルミザワアリカ)──まったくマンガみてぇな名前だなと思いながらも、抱えていた紙袋を1つ差し出す。
「賞味期限ギリなんですけど良かったら……。バイト先でたくさん貰っちゃって」
実際アタシは紙袋を4つ持っている。
お菓子の卸売り店舗でレジのバイトをしてるんだが、たまに期限切れのやつを貰ったりするんだ。
ラッキー、1人で食ってやれと思っていたのだが、ちょうど良い。
お隣りのよしみだ。
あと、日頃のノゾキの罪滅ぼしっていうか……。
「うん。あり、あり……ありが……」
若干コミュ障気味の有夏チャン。
意外なくらいあっさり受け取ってくれた。
「ビスコのミニパックが大量に入ってるんですけど。なんか懐かしいですよねぇ。今は味の種類も結構多くて。いちご味がおすすめですよっ」
「は?」
「あ、いえ。すみません……。あの、いっぱい入ってるんで。良かったら食べてください」
……チクショウ。めげそうだ。
「あの、お好きでしたらもう一袋……? どうですかね。お菓子いっぱい食べますぅ?」
有夏チャンは首を横に振った。
何大ウソついてんだ。お菓子大好きだろ、アンタ。
クソ。
この人、絶対目ぇ合わせてくんないな。
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