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【第8話】ヘンタイメガネの変態たる所以(7)
「有夏に近付くムシは一匹残らず俺が叩き落とす! あんたなんていつだって潰せるんだ!」
「ヒィィ……」
この場合ツブすって、物理的な意味かもしれない。
社会的立場がどうとかじゃなくて、巨人が人を握りつぶすみたいな。
こうプチッと……。
アタシが心底ビビって、鼻をたらしてしまったものだから、ヘンタイメガネは逆に我に返ったようだ。
アタシの鼻水を見て露骨に顔をしかめた。
き、汚くてごめんなさいね。
でもアンタのせいだろうが。
「出て行ってからもう3時間……。あの可愛い有夏が外になんか出てみろ。たちまち物陰に引きずり込まれてレイプされるじゃないか!!」
……いや、我に返ったわけでもなさそうだ。
「今頃、糞みたいな奴に可愛い太もも撫でさせてるんじゃないだろうな。今夜の宿の為に糞みたいな奴の糞チンコしゃぶらされてるんじゃ……ああ、気が狂いそうだ!」
それから超音波みたいに「キィーーーッ!」と叫んだ。
人ん家で発狂すんじゃねぇ!
いやいや、逆に凄いわ。アンタのその発想が!
「ま、まぁー、まぁまぁ」
アタシとしちゃハハハと笑うしかない状況なわけだ。
「まぁまぁ、落ち着いてください。あの人もそんなバカじゃないでしょ」
じっとりした目つきで、ヘンタイメガネがアタシを睨む。
「いや、あの外見からは想像つかないけど、有夏はもの凄く頭が悪いんだ。信じられないくらい勉強ができないんだ」
「そ、そうなんですか」
え? 薄々は気付いてたけど、何かイヤだな。イメージ崩れたな。
聞きたくなかった情報だな。
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