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【第9話】かきまぜる行為(6)

「はぁっ……ん、せっ……」  幾ヶ瀬の手が有夏の腕を、背を、撫でおろす。 「全部買ってあげるから……ね、いいよね、有夏」 「う……、それってまた? イクセさんのやつ?」  幾ヶ瀬の笑い声が微かに。  有夏は例の娼館の遊びを思いだしたのだろう。  たしかに今の台詞はそれっぽかったと小さく呟く。 「それはまた今度にしよ」 「ん……」 「今は有夏のナカ、かき回したい……」  有夏が呻くような声をあげたのは、幾ヶ瀬の手が彼の腿を捕えたからだ。  彼の背に密着するようにして立つと、太ももに指先をすべらせて短パンの裾をまくりあげる。  尻の辺りまでいくと中に手を滑り込ませ、下着をずらせた。 「ちょ、幾ヶ瀬、ここで?」  返事がないのは余裕が無かったためだろう。  自身も腰のタオルをはだけると、既に白濁液が溢れる先端を、有夏のソコにあてがう。 「いくせ……?」 「有か、も……俺っ」  いつもなら、せめてその汁だけでも有夏に塗りこんで指でほぐしてやるところなのだが。 「ごめ、有夏……」  圧し当てたそれを、腰を使って押し込みながら、強引に有夏の尻を割り開く。 「んあっ……やぁぁ……」 「あり、か……我慢して」  腰を小刻みに前後に揺すって、徐々に奥へと侵入していく。

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