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【第11話】そうだったのか、胡桃沢家(10)
「挿れてって言ってる、のにっ! いくせっ、ん、んっ……んんっ」
反射的な動きで幾ヶ瀬がティッシュを当てがい、双方の精液を受け止める。
ブルッと全身を震わせて、有夏の全身から力が抜けた。
「有夏、明日掃除終わったら……いや、多分無理か。日曜の夜にちゃんとしよ。ね?」
身を起こそうとした幾ヶ瀬の腕を、有夏がしっかりつかむ。
「だぁめ。挿れろって言ったのに。罰としてずっと有夏の上に乗ってろ」
ぐいと引っ張られ、幾ヶ瀬の身体が有夏の上に倒れ込む。
「で、でも重くない?」
「重いけど、いい。あと、ギュッてしろ」
「有夏ぁ?」
「早く!」
まるで脅されたように怖々と有夏の身体に腕を回すと、花がほころぶように有夏が微笑した。
「幾ヶ瀬、なんか言うことない?」
「好きだよ、有夏」
「ん。よし。」
抱き合ったまま2人は顔を見合わせ、笑みを交わした。
「そうだったのか、胡桃沢家」完
12「有夏邸 脱・GM屋敷!」につづく
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