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【第15話】記念日を一緒に過ごしたい派・気にしない派(9)
それはそれで気持ち悪いに決まってんだろという、有夏の微妙な目つきをものともせず幾ヶ瀬は立ち上がった。
「俺、思い切って着るよ!」
「はぁ?」
「恥ずかしいけど、有夏が望むなら裸エプロン……」
「いやいや、望んでない。望んでない。それこそ罰ゲーム!」
「え、それどういう意味……」
話が妙な方向へ飛び、思いもよらぬポイントへ着地しそうで恐ろしくなる。
「そもそもそんなカッコしてどうする気だよ。有夏にどうしろっての」
これには幾ヶ瀬もポカンと口を開ける。
「いやまぁ……帰ってきて俺の格好見て、ビックリしたぁとか言ってくれたら……」
「それだけかよ! そらビックリするわ!」
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