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【第15話】記念日を一緒に過ごしたい派・気にしない派(17)
「動いていい?」
「やぁぁ……」
幾ヶ瀬が腰を揺すると、徐々に精液と内壁が馴染んでいくようにいやらしい音が溢れる。
有夏の呻き声も切なげな吐息に変じていった。
「……気持ちいい?」
「んっ……」
有夏の足がビクリと痙攣するたびに、幾ヶ瀬は満足そうに頬を緩める。
自分の僅かな動きにすら、有夏がどうしようもなく感じているのが分かるから。
「んぁぁ……いくせっ……」
震える腕に必死に力を込めて、幾ヶ瀬の首筋にしがみつく。
そうしなければ崩れ落ちてしまうから。
「有夏、ねぇ……有夏」
「んっ……なに?」
有夏の首筋に顔を埋め、思い切り息を吸い込む。
「覚えてるでしょ? 初めてのチュウ」
「まだ、その……はなし……」
あの時のチュウ、もっかいしよ──そう囁いて、幾ヶ瀬は有夏に唇を寄せた。
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