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【第15話】記念日を一緒に過ごしたい派・気にしない派(16)

 語尾が掠れた。  熱い塊を圧し当てられ、有夏は息を詰まらせる。  小刻みに振動を加えるように亀頭が侵入を図る。 「ちょっ、いくせっ……やっぱベッド……」  片足を高くあげられ、背中は壁に押し付けられ。  かろうじて立っているものの、幾ヶ瀬のモノから液が溢れて、入り口に擦り付けられるたびに足は震える。 「俺につかまって」  ゆっくりと内部へ入って来る圧を感じながら、有夏は言われるがままに幾ヶ瀬にしがみついた。 「うぁ……へんなとこ、あたって……」  不自然な体勢での挿入だから、普段とは受ける刺激が違うのか。  しがみつく手がブルブル震える。 「いくせぇぇ……」 「ん、有夏可愛い……」  先走り液をとくとく溢れさせながら、幾ヶ瀬のモノは有夏の内壁をこじ開けて奥へと到達する。 「んんっ、いきなり……いれたら、イヤだってば。いくせっ」  僅かに視線を下へ転じれば、押し広げられて赤くなった入口が、太い肉棒を呑み込みきゅうきゅう締め付けている光景が見える。  一瞬、その様を見てしまい、有夏は慌てて目を逸らせた。

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