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【第16話】幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル(10)

 まぁ、アレだよな。  七不思議っていったら、アタシが通ってた頃も小・中・高校にもれなくあったよ。  人のいない音楽室からピアノの音が聞こえてくるとか、夜中に階段踊り場の鏡を見たら死者の世界に引きずり込まれるとか。  みんなで面白がって放課後、音楽室に見に行ったもんだよ。  吹奏楽部の顧問に見つかってガチギレされたのも楽しい思い出だな。 『えー、まずはこの学校の七不思議をご紹介しましょう』  おっ、メガネの奴、アタシのスマホカメラに向かってレポーターよろしく語りだしたぞ。  唐突過ぎて、ヤツの後ろで有夏チャンがボケッと口を開けてアホ面を晒しているけれど……ここはまぁ見ないフリをしてやろう。  ヘンタイメガネが、したり顔で語った七つの怪異は以下の通りだ。  ひとつ、調理室でババァが肉片を切断している。      見た人は次の犠牲者に……。  ふたつ、校庭で首のない生徒たちがサッカーをしている。      ボールは当然、自分たちの首。  みっつ、プールの水が血。      覗き込むと大勢の女生徒の顔が浮かんできて、一斉に笑う。  よっつ、視聴覚室のスクリーンから、得体の知れない女が這い出てきてくる。      校内を徘徊している。  いつつ、三階端の教室前のロッカーの中から呻き声が聞こえる。      中には切り刻まれた人体がぎっしり詰まっている。  むっつ、誰もいない音楽室から笑い声がする。      見に行くと、見えない力でピアノの前に座らされる。      二分の一の確率でピアノの蓋で手首を切断される。  ななつ、校舎の玄関前に立って上を見ると、女生徒が落ちてくる。  ──待て待て、どれもエグイなぁ!  アタシは絶叫した。

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