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【第16話】幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル(19)

「ハックショーーーン!」  大きなクシャミとともに、幾ヶ瀬が起き上がったのだ。 「ヒィィ……」  ビ、ビックリした……。  腰から、そして全身から力が抜ける。  ヘンタイメガネと入れ替わるように、アタシの身体はコンクリ地面に倒れ込んだ。  キョロキョロしながら幾ヶ瀬のヤツ、アタシを見下ろす。 「有夏は?」 「し、深夜アニメを……」  いまわの際の言葉だが、メガネは「ああ、そっか」と気楽に頷いただけだった。  次いで「ありかぁぁーー」と叫びながら校門の方へ走り出す。 「ありかぁぁ、そのアニメは俺が録画しといたよぉぉ」  薄れゆく意識の中、アタシは隣りの薄情な2人の後姿を見送る。  まぶたがピクピクと痙攣し、視界が徐々に狭くなるのが分かった。  喉の奥で「グーッ」と地響きのような音が鳴り響く。  えっ、アタシ死ぬの?  アタシの、いまわの際の言葉「し、深夜アニメを」かよ。  勘弁してくれよ。  目の前が暗くなる。  ああ、神様……生まれ変わったら推しカプの家の壁に、そして天井になりたいです。    ※  ※  ※  ※  ※

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