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【第17話】『閲覧履歴に基づくおすすめ商品』は人物の内面を完全に晒す(15)

 幾ヶ瀬の頬も見る間に紅潮する。 「ど、どうしたの。そんなこと……言って」 「ん……」  有夏を抱きしめる腕に力が込められた。 「ね、繁忙期すぎたら休みいっぱいとるね」 「お前、忙しい言いながら、けっこうちゃんと休んでんじゃねぇのか」 「んん、週休2日が崩れたら俺は速攻辞めるから。てか残業ばっかだから来月になったら交代で休ませてくれるって店長言ってたし」 「ふぅん……」  たしか辞めるって喚いてたよなと言いかけて、有夏は口を噤んだ。 「まぁいいよ、勝手にいっぱい休め。てか有夏も寝る」 「えっ、晩御飯食べたの? まだでしょ。俺は適当な時間に、まかない食べたからいいけど」  軽くため息をついて、有夏は目を閉じる。 「今日ばかりはもう動けない。寝る」  幾ヶ瀬が一瞬、虚をつかれたように口ごもり、それから笑った。  有夏の口元も柔らかな笑みを形作る。  信じられないけど、もう2時だ。  どちらともなく時計を見てから2人は目を閉じた。 「『閲覧履歴に基づくおすすめ商品』は人物の内面を完全に晒す」完 17「こうして秘密が暴かれる」につづく

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