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【第18話】こうして秘密が暴かれる(10)
「ありかー? しようよぉ、キス」
つかまれた腕を、有夏は反射的に振り払った。
「嫌です。しません。寄らないでください」
「えっ、何で敬語……? あっ、プリン、そろそろ固まったかな。食べようか」
「食べません。来ないでください」
「有夏さん?」
フラリと立ち上がった有夏はそのままベッドに倒れ込んだ。
目をカッと見開いている。
「ねぇ、有夏さん? 怒ったの? ごめんよぅ……」
幾ヶ瀬はベッドの縁に手を添えて恋人の名を呼び続けた。
その時間、10分程であったろうか。
「あり……」
すぐに幾ヶ瀬の寝息が聞こえてきた。
仰向けに転がったまま硬直する有夏。
目を見開いて天井を見詰めている。
「……コイツがキテるのは知ってた。でも、有夏が甘かった。思ってた以上にヤバい奴だった」
スヤスヤと、実に平和な寝息が聞こえてくる。
とりあえず布団をかけてやったのは、有夏なりの優しさか。
夜が明けると幾ヶ瀬は、己がやらかした暴挙に頭を抱えることになる。
深夜テンション……恐るべし。
「こうして秘密が暴かれる」完
「つぎのあさ」につづく
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