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【第18話】こうして秘密が暴かれる(9)
「高校ん時、有夏の体操服盗んだんだ」
「ハイ、キタ! くると思った! 笛の次は体操服、そしてタオル。ヘンタイの所業ここに極まれり!」
「……思い返せばどうかしていた。今思えばタオル→体操服→笛ってのが正しい順番じゃないかな」
「おお、怖い。ヘンタイなりに正しい順番とか言いだしたよ」
この瞬間。半袖Tシャツの有夏は一気に冷気を感じたか、自らの両腕をかき抱く仕草をする。
「あ、大丈夫! ちゃんときれいに洗って返しといたから。気付いてなかったでしょ。有夏って昔から物の管理が雑なんだもん☆」
ハイ、有夏の番だよとの声に、再び手が反応することはなかった。
有夏の目が死んでいる。
「有夏? 大丈夫? やっぱり有夏には神経衰弱は難しかったかな。しかたないな。続きはまた今度にしよっか」
100%の笑顔でカードを片付ける幾ヶ瀬。
有夏のバカははじめから~♪
だって脳味噌カラッポだもの~♪
なんて、失礼極まりない鼻歌を口ずさんでいる。
「あー、何かスッキリしたな。心の底にこびり付いていた澱が消えたみたい。アハハ! そうだ、有夏、キスしよ」
しかし、有夏の目は死んでいる。
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