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【第22話】いいところ(7)

 恥ずかしいくらい高い声をもらして。  はだけた胸元を赤く染めて。  そんな有夏を見下ろしして、うわ言のように「かわいい……」と呟き、幾ヶ瀬も全身を震わせた。 「ありか……。ナカ、出して、いい……?」  根元まで差し込んだまま抱き寄せた耳元に囁く。  トロリとした目で有夏が頷いた。 「んっ……腹ン中、ヘンっ」 「ごめ。あとでちゃんと掻き出してあげる、から……ね」  できるだけ長い間、恋人の中にいたい。  幾ヶ瀬のそれは力を失ってズルリと滑り出ても、先端部分を有夏の内部に残したままだ。 「いくせぇ?」  有夏がもぞりと身を捩って、やっと2人は離れたのだった。  喘ぐように激しい呼吸を繰り返して後、ようやく有夏が身を起こす。 「はぁ……もぅ、なにこれ。きもちい……」  内部に出されたモノがドロリと動く度に、深い吐息をつく。  隣りで幾ヶ瀬が軽い笑い声をあげた。 「そんなに気持ち良かった? ねぇ、気持ち良かった? 俺も良かったよ?」 「うわ……」  途端、有夏が顔をしかめる。  ネェ、キモチヨカッタって何なんだ?  まさか行為の感想を求めているのか?  「そんなもん聞くな、引くわ」と、いつもの調子で憎まれ口を叩く気にもなれず、有夏は押し黙る。  頬を赤らめる有夏の腰を、幾ヶ瀬は寝ころんだままかき抱いた。

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