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【第33話】よわよわ☆テスト(10)
「へ、平気なの? 有夏はそういうの。うん、平気か、有夏は。馬鹿だから、恐怖って感覚が抜け落ちてしまってるんだ」
粉砕したアーモンドをゴクリと飲み込んで、有夏の目はキラキラと輝きだした。
「幾ヶ瀬はぁ?」
声がイヤらしい。
エロい意味ではなく、イヤらしい。
ニヤニヤと顔を歪めながら、有夏は繰り返した。
「絶叫系、幾ヶ瀬はぁ?」
「う、うん。まぁ……」
「まぁ? 何?」
「いや、まぁ……」
「まぁって何?」
有夏の声が実にイヤらしい。
目つきもだ。
そう、エロい意味ではない。
「うわっ!」
幾ヶ瀬が悲鳴をあげたのは、有夏が急に両手を振り上げたからだ。
座ったまま尻だけを動かして後ずさろうとしたようだが、無駄な抵抗である。
「有夏? あぁぁ!? やめてぇぇーー」
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