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【第39話】にんげんだもの(8)

 対して有夏の反応は淡泊なものである。 「うんうん。当たった」  言った瞬間、にまにま笑いが復活した。 「嘘でしょお……。そんなこと現実にはありえない。ア、アレだよね。6等570円とかそういう……いや、それにしたって凄いよ。実際それだって滅多に当たらないもん。ね、そうでしょ? 6等570円でしょう!?」  有夏は無言だ。  にまにましている。 「も、もしかして5等とか? 1,500円くらい貰えるやつ。アハッ! 初めて買ってそんなの当てるなんて凄いじゃない、有夏! 俺なんか何年の回続けてるのに1回も……」  有夏は無言だ。  こたつに座ったまま微動だにせず、にまにましている。 「う、嘘でしょう……。まさか……」  幾ヶ瀬の顔から見る間に色が抜け落ちていく。  真っ白な顔面で、彼は口だけパクパク動かした。  ──まさか、ろくおくえんあたったの? 「え、なに?」  ──いっとうのろくおくえんがあたったの? 「は、なに?」  ──だから、ろくお……? 「なんて?」

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