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【第42話】お風呂をめぐるあれこれ(表)(14)

「ちょっと? 有夏、服…」 「小学校ん時なかった? 服のままプールに入るってやつ」  急に何を言い出すのだというところだが、彼の気まぐれには幾ヶ瀬も慣れているのだろう。 「ああ、着衣水泳でしょ。授業であったね。溺れた時の練習みたいな」 「あれは気持ち良かった。服で入っちゃダメなのに、今日は入っちゃうぞって。いけないのに入っちゃうぞ的な」 「何それ、背徳感ってやつ?」 「うん。それ」 「だからってお風呂は駄目でしょ、服のままって。誰が掃除すると…誰が洗濯すると……」 「うるっせ。やー、もうあったかいし。これはこれで」 「しょうがないな…」  Tシャツの裾から幾ヶ瀬の手が侵入し、薄い腹をさする。  徐々に上に這い上がってくるそれを手首を捻りあげて止めると、有夏は少々不満気な様子である。 「オバケが怖いんじゃなかったのかよ」  散々怖がっていた幾ヶ瀬なのに、急におとなしくなったかと思いきや、まさかシャワーを構えて臨戦態勢を整えていたなんて、有夏としては面白くなかったのだろう。

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