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嫌いなタイプ2

「お前、御厨真琴って知ってるか?」 「え」 尋ねた途端、目を見開いて固まる陽介に俺は眉を寄せる。 「なんだよ」 「あ、いや…。お前が誰かに興味持つとか驚きで…。つか名前知ってることもレアだよな」 「お前は俺をなんだと思ってんだ」 失礼なやつだとは思うが、そこまで否定できないのも事実である。 とにかく他人に興味がないから、クラスの席順も自分以外をあまり把握していないし、まず名前も顔も碌に覚えない。 「お前が誰かに関心を持つとは…、父さん嬉しいよ…」 「うぜぇ」 足を蹴ってやると、陽介はケラケラ笑った。 ほんとこいつは。 高校生になって見た目が大人びてきたくせに、中身は中坊の時とちっとも変わらない。 「…で?知ってんのか?あいつのこと」 再度尋ねると、陽介はあっさりと頷いた。 「真琴って目立つし、有名人ってやつ?それに偶に野球部にスケットで来たり、体育の時とか話したりするから」 「体育?」 「真琴、隣のクラスだから体育で一緒になるんだよ。種目は選択式だから、奏一とは偶々重なってなかったんだな」 それから話を聞く限り、人気者で、周りにキャーキャー言われるというよりは、みんなでワイワイするタイプ。 部活は特に入ってなくて、偶に運動部に混ざったりしているらしい。 プライベートなことまでは、陽介は知らないようだ。 「結構みんなそうじゃないか?学校ではみんなと仲良いけど、あんま学校外では遊ばないらしいし」 「なんで」 「真琴が断るんだよ。なんか家の手伝いとかなんとかって。あいつの家、結構貧乏なんだって」 「…そうか」

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