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心から7

室内に2人の荒い息遣いが響く。 ベッドのシーツを握り締める真琴の手に指を絡ませた。 今日の出来事が、頭の中でリフレインする。 会場を揺らす歓声が、湧き上がる高揚感が、隣で幸せそうに笑う真琴の横顔が。 そして目の前の真琴へと視線を向ける。 あの歌い終わった時と同様その頬を火照らせ、汗を流す真琴。 しかし今その瞳には確かな熱が含まれていた。 甘露のようなその瞳に、喉が鳴る。 一層奥へと腰を押し付ければ、中の締め付けが強まり息が詰まった。 甘い声を漏らす唇に吸い付けば、真琴もおずおずとキスに応えてくる。 「っ、はぁ…っ、そ、いち…もう…っ」 「…っ」 涙を浮かばせ身を捩る真琴を目にし、一層腰の動きを速めた。 快感が膨れ上がり、自分も限界だと察する。 上りつめて、熱が弾けたのはほとんど同時だった。 徐々に引いていく快感に身を委ねていると、不意に真琴の手が頭に乗せられる。 瞬きをする俺に真琴はほわんと笑みを浮かべると、よしよしと子供にするように優しく俺の頭を撫でた。 「奏一…。今日は、よくがんばったな」 「…っ!」 今日。 それが合唱コンクールでのことだと理解する。 呆然とする俺に気づいた真琴は、ハッと我に返ったように目を見開いた。 すぐに「あ、ごめん…!」と手を離されるが、俺は無意識にその手を握る。 「? 奏一…?」 「……もう一回」 「え?」 「もう一回、やって」 一瞬の静寂。 次には微笑んだ真琴が「うん。いいよ」と微笑んだ。 再度、その手が頭に乗せられる。 それだけで、全てが満たされていくような感覚があった。 今まで抱えてきたものが、全て報われたような感覚。 堪らず真琴を抱き寄せる。 「がんばった、がんばった。奏一はえらいぞ」 「……真琴」 「ん?」 「好きって言って」 ピクリと頭を撫でていた手が止まる。 しかしすぐに再開させ、真琴は小さく息を吸った。 「奏一。大好きだよ」 「……うん」 ありがとう。 その言葉さえあれば俺は、なんだってできる気がする。

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