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【番外編:一花】求めたっていい(4)
ゆっくりと筋肉質な脚に手を這わせると、学が大きくため息をつく。
膝を浮かせるようにうながすと、俺を見おろす瞳がじわじわと色を帯びて揺れた。
「して?」
囁く声に膝が浮く。すかさず大きく足を割り開いて、いやらしく濡れた部分を観察した。
「ひ、ひ、ひゃ、ら、ら」
らめえと叫びたかったのだろう。学は舌たらずに叫びそうになった言葉を手で抑えた。真っ赤な顔ではあはあと荒い息を飲みながら、自身をひくひくと揺らしている。つつっとその先から粘液が垂れるのを見た。つまった息の音が学もそれを見たと教えてくれる。
「ほら、動いて」
手を腿の下に滑り込ませると、素直に腰が浮いた。出ていく俺の感触。張った部分ぎりぎりまで引き抜くと、恐れるように学が俺を見た。
「いいこ」
励ますように足を撫でて、思い切り突きあげる。俺の腹の上で学がぴたんと音を立てた。
「あ、ああっ!」
「ほら? 気持ちいいでしょ?」
抜けていく俺を追うように、学が腰を落とした。ぶるぶると震える手が俺の胸を押す。
「あっ、あっ、あっ、」
ぎゅうぎゅうと学が俺をしめつける。とどめを刺すように中をえぐると、もうどうしようもないというように、学が抜き差しを繰りかえす。聞くに堪えないようなみだらな音が部屋に響く。
ひと突きごとに、学の瞳が潤んでいく。理性をなくした唇が獣のようなうめき声を放った。
たんたんと学の育ち切ったものが俺の腹を叩いた。透明な汁が俺の腹で糸を引く。
「もっと見せて? そう、手は後ろだよ」
胸にあった手を俺の足の方に移動させると、筋肉のついたきれいな身体がうっとりとのけぞる。
「うっ、うあ、あっ、あ、」
のけぞった身体を貫くと、学が悲鳴をあげた。
「これ、こりぇ、らめ、らめらあ、ふか、ふか、いい」
構わずに学の腰をつかむと中をぐりぐりとこするように回転させる。
ぞりと音をたてて、育ち切った筋が学をえぐった。
「やあ、やあ、やらあ、いい、きもちぃ、あん、ああっ! いい、いいよお。これ、すき、すきい」
体力のある学が折れないのが心地いい。
つきあげる俺と、沈み込む学が二人して揺れる。
「もうらめえ、もう、っ、ああん、あっ、」
どくんと学が吐き出した。熱いものが連続して俺の腹を濡らす。残滓を吐き出す学をつかんでしごきあげた。
「ああ、ああ、とけちゃう。とけるよお」
ぬこぬこと手の中で学が腰を動かした。最後の滴が俺の手を濡らす。
「気持ちよかった?」
ん~と頭が揺れる。指をもちあげると、学の欲望を見せつけるように舌で舐めとる。
その様子を学が呆けて見ていた。
「いっぱいでちゃったね」
腹を撫でると、学がはっとしたようにティッシュを取ろうと手を伸ばした。バランスを崩した身体をそのままひっくり返し抜けかけた自分を学に押しこむ。
「ひゃ」
「ごめんね。俺、まだイってないから、さ」
「あっ、あっ……」
何が起きたのかわかっていない学を翻弄するように激しくつきあげる。学は鍛えているせいで、どこの関節も年齢のわりにとても柔らかい。折った脚を大きく開いて、ベッドの上に張りつけると、思うがままに中をえぐった。
「んっ、んああ」
逃れようとする身体を押さえつけて、腰を叩きつける。
「だめ、だめえっ」
「だめなの?」
うんうんと学が首をふる。
「何がだめ?」
「とけてる、とけてるからあ」
「またイきっぱなしになっちゃう?」
「うん、ん、きゃあっ」
悲鳴があがる。学の好きな場所をつきあげた結果だ。
「可愛い声」
学の全身がぞくぞくっと震えた。熱を帯びた視線が揺れて俺を見る。ふるふると唇が震えて、泣きそうな声がおぼつかなく囁く。
「おんなのこ……ないしょ」
「そう、可愛い学は、誰にも内緒……だから、もっと可愛くなって」
ひっ、ひっとあがる声が、だんだんに甘さを含む。念入りに感じる部分をこすりあげると、力なく揺れていた学が力を取り戻した。ぐんと中に押し込むと、濡れた学がぴたんと音をたてて俺の腹に当たる。
「また良くなっちゃった?」
「だって、だってえ、ああっ、これ、これっ!きもちいよお」
「ねえ、学?」
「あっ、あっ、なに、なに?」
「どうする? 中でする?」
手を伸ばしてゴムをつかんで学の前で振ってみせる。うっくと学が息を飲んだ。
「お腹、痛くなるでしょ?」
「あ、あ、う、」
ずるりと抜けかけた俺に、学の足が絡む。
「や、やら、」
「ちょっとだけ、抜くだけでしょ」
ふうっ、ふうっと息を吐きながら学が俺にすがりつく。
「いっ、いいからあ」
「お腹壊してもいいの?」
「い、いっ、いよ」
「そう」
にっこりと笑って、学の最奥をつく。ごつりと当たった向こう、その奥にぬるりと俺が入った。
「ひ、ひいいいい」
叫ぶ学を押さえつけて何度もその場所を行き来した。
「あのね?ここで出すとお腹が痛くなるのは、精子の中に、生理痛を起こす成分と同じのが入ってるからなんだって。で、生理痛っていうのはさ、出産の陣痛と似てるんだって」
「ひっ、ひあ、あっ、ああ、」
「あかちゃんをここからひねり出すための痛み」
「ん、んん~、んあっ、ひいっ」
「どうする? ここに出すとあかちゃん出てきちゃうってことなんじゃない?」
「あかちゃん、あかちゃん?」
「そう、妊娠しちゃう?」
「あー、あーっ、なかでだされてえ、にんしんしちゃうよお」
「欲しいでしょ?」
「ほしい、ほしいよお」
一切の抑圧から解き放たれた学の口からあられのない言葉が次々に漏れる。
焦点の合わない目から涙が零れて、後ろがぎゅうぎゅうとしめつけた。
はは。
声をたてて笑っていた。
なんて可愛いんだろう。
「でてるう。あちゅいのでてるう」
どくどくと吐き出しながら叫ぶ学の一番奥に、ぎっちりと自分を埋め込んで解き放つと、俺は学にキスをした。
どこからどこまでも、全部俺のものの学に。
<求めたっていい:おわり>
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